Anyoji Masayuki
DigitalBlast Inc.
安養寺正之
株式会社DigitalBlast
宇宙開発事業部
Recommended Books/Texts
大学の講義で使用している教材や研究で役立った教科書/参考書、面白かった書籍などをご紹介します。
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流体力学 (Fluid dynamics)
名著。全体的に説明が丁寧で他の教科書で分かりにくい箇所もこれを読んだら理解できることは多い。流体力学の辞書的にも使える。初学者向きではなく、中・上級者向き。価格はやや高いが見合う価値は十分。専門家なら手元に置いておきたい。
初学者〜中級向き。非圧縮流体に関する内容は広く網羅しているが、内容はやや薄い印象。ただ、演習問題が豊富であることが大きな特徴で、テスト対策として有用。
非圧縮性流体の内容を纏めており、全体をざっと復習する上でもお勧め。やや水力学寄りの内容だが、基礎の理解と復習の意味では十分。挿絵がやや雑なのが気になるがそれ以外はお値段も手頃でコスパは良い。
熱力学 (Thermodynamics)
学部の熱力学の講義で使用しているテキスト。熱力学・熱制御がご専門の先生に紹介頂いたが、内容が丁寧にかつ平易な言葉で実に分かりやすく記述されていることに感動した。初学者には最適。特に前半に相当する4章エントロピーまではかなり理解しやすいのではないかと思われる。5章以降の内容は部分的にやや煩雑になるが、個人的には7章の相平衡・化学平衡まで学習できれば基礎としては十分と思われる。
同じく三宅先生シリーズだが、こちらは演習問題集になっている。豊富な問題集だけでなく、解答解説付きであることが学習者にとってはありがたい。一通り演習すればかなり力がつくはず。オススメの一冊。
圧縮性流体(compressible fluid dynamics)
日本語の圧縮性流体の教科書としては最も有名な書籍の一つ。サブタイトルにもある通り、特に内部流れに関する内容が豊富で学生時代からも大変お世話になっている。余談だが、弊研究室は元々、著者である松尾先生の研究室でもある。
大学院の圧縮性流体の講義でも使っている。Andersonの教科書は共通して、丁寧に丁寧に書かれている点が大きな特徴。何より式の導出を細かく記述してくれているため、他のテキストでどうやってこの式が出てきたのか分からない点は非常にクリアになる。また個人的にはテキストの構成も気に入っており、一章から順番に読み進めていくことで、圧縮性流体を体系的に理解できる。
航空力学・飛行力学 (Flight dynamics)
内容の充実度と理解のしやすさから、日本語のテキストでは一押し。いくつかある航空力学の本の中でも個人的には一番内容が頭に入ってくる。翼理論、機体運動の一通りの基礎を抑えるには良書。現在は第3版になっているが、第2版から内容が一部入れ替わっている。個人的には第2版の方がよく取り扱うため、専門や学習内容によっては使い分ける必要があるかも。
こちらもAndersonのお気に入りのテキスト。内容の充実度は一級品。牧野先生のテキスト同様の基礎的な内容はもちろんのこと、抽象的な内容にとどまらず、具体的な機体や数字を扱いながら説明している点は実用面で非常にイメージがつきやすい。例題も効果的に理解を助けてくれる。定期的に改定されており、現在では8th editionになっている。